一花を着物いっぱいに表現する。
滝沢晃が一番得意とし、また大好きな構図です。
大変手間を要するので年に一枚か二枚しか染めません。
今回この染め方は一度花びら一枚一枚を日本画のたらしこみ技法で染め上げ、それから胡粉で一筆一筆白い点を書上げたものです。
白い点は人の心です。たくさんの人の心が集まって
大きな力になって東北の復興を願う。その思いを表現しました。
日本染織作家展で賞をいただきました。
世界の蘭展で毎年蘭の苗を求めてきます。
つぼみがついていても寒さで咲かない時もありますが、これはとても可憐に咲きました。
近くにあるものが題材になります。小さな花ですが
力強く大きく表現をし着物の中にに咲かせました。
ちょっと色気のない名前ですが、別名はタイの舞姫
シャムの舞姫と素敵な名前を持っています。
肩から下がるラインや前身頃の伸びやかなラインはまさに花が舞っているようです。地色は二色使いで染めてあります。
袖口 衽 襟と桜の枝が流れるようにデザインされています。シンプルで大胆で気楽に着れる友禅ものとお客様の要望でこんな形になりました。帯次第で結婚式から気取った食事会など、はば広く着ていただけます。襟いっぱいに流れる桜は確かに大胆ですが
彩色を抑え地色と同系に染めることで優しさを出しています。
長い冬が終わるころ一番うれしいのは春の雨です。
雨の夜が明けると庭の雪がびっくりするほど消えています。庭の桜の木の枝も生き返ったように芽を膨らませます。自然の恵みに感謝し雨の力と木々の芽吹きをローケツ特有の「ヒワレ」を使い染めてあります。
五月の末になると藤の花が満開になります。
今年の藤は特にきれいだったような気がします。
毎年山菜取りをしながら藤を見ては絵柄を考えています。今年の藤はこんな絵柄になりました。
地色は薄紫と春と初夏の混じったやさしいお日様の黄色で染めてあります。
唐草文様は長寿を意味したりとても良い柄として着物をはじめいろんな物の柄として使われています。
このがらはぶどうを唐草文様にしました。力強く伸びしっかりと実をつける。そんな思いの絵柄です。
伸びの表現をぼかしで表しそのなかに柄があります。縦まっすぐに長くぼかしていくのは技術的にも
むずかしい染めです。
スイートピーは透明感のある花びらです。
ヒラヒラしてるようでしっかりしています。
この花はあきら友禅では数多く絵柄に使われています。
構図はちがいますがいつも素敵に表現されています。
友禅は得意とするシャーベットトーンです。
胡粉を多く使うことによって透明感を出しています。
派手でもなく地味でもなく可憐な花、マーガレット
手にいっぱい摘んで、花束にして
そっと胸に抱きしめる。
いつも頑張っている自分への贈り物
地色を濃くして花の優しさを出しています。
花紹介のカタログに載っていた花です。
見た瞬間に大きな猫ヒゲと小さな猫ヒゲと二柄の
構図ができました。これは小さな絵柄の方です。
ピンと張った猫のヒゲから猫の顔が浮かんできます。
猫好きの方には魅力的な花のデザインと思います。
この花も世界の蘭展で購入したものです。タイの蘭ですが花の名前はなくしてしまいました。ちいさな鉢からきれいに伸びてとても可憐に咲いた様子をデザインしてあります。
萩の花を脇いっぱいに咲かせた楽しい構図になっています。脇の花から舞い上がるように花びらが広がっています。グレーの地色は青系ですので
帯次第で年齢を問わず長く着れる一枚です。
三春の滝桜の苗を植えて20年
父の思い出の桜です。
まだまだ小さい木ですがまっすぐに下に伸びた枝は普段見慣れているしだれ桜との違いがあります。
この枝が滝のように
下りているから滝桜と自分勝手に決めています。
三春の滝区の方から苗を分けていただいて感謝しております。自慢げに苗を植えた父を思いだす
一枚です。
しなやかな柳の枝が風に揺れる様をデザインしてあります。サラサラとさわやかな風を感じてきます。
細い枝と小さな葉のデザインは身長に関係なく素敵な着姿になります。グレーかかった紫と暖色のクリームの二色使いが優しさを増しています。