着物について

着物は、日本の生活や文化にとけこみやすく、日本人の体型や顔立ちによく映り、また、四季のある日本の気候風土にも適しているからです。
着物を「ファッション」としてとらえることもよいですが、歴史をたどり着物の移りかわりを知ることで、今までと違った着物が見えてきます。

着物について

「着物」は、私たちが普段着ている洋服に対する言葉として、和服=着物として用いられることが多く、また「着物(きもの)」ということばは、国際語「kimono」として世界に通用します。
本来「着物」とは、広義で「着るもの(衣服)」という意味で、「着るもの」という言葉がつまって「着物」になったといわれています。

着物について

着物は洋服のように頻繁にアイロンをかけたりしませんが、着物を着る前のたたみシワをとったり、着物を脱いで湿気を十分にとった後、シワを伸ばしたりする際に使用します。
扱い方によっては、着物が縮む恐れがありますので温度には十分注意し麻、木綿以外は霧吹きやスチームはなどは使わないほうが無難です。
またアイロンをかける際は、木綿や麻以外の着物には必ず当て布を用い、生地を傷めないようにします。

着物について

着物は湿気を吸うといたみやすくなり、カビも発生しやすくなります。
そこで虫干しをし、着物や帯、草履やバックなどの小物類の湿気をとる、湿気の多い日本ならではのお手入れ法をするのです。
梅雨の湿気をとる夏、空気がよく乾燥している時期の秋、最も乾燥している冬と、昔は丁寧なお手入れをしたようです。
虫干しする時には、シミや汚れなどの点検も忘れずにしましょう。
虫干しは、着物を長く着るための生活の知恵です。

着物について

着物や帯はたたむ形が決まっているので、洋服に比べ収納が楽です。着物や帯は折り目正しく、
不必要な折り目などを入れずに決まった形に畳み、金糸や銀糸刺繍など細工のあるものは薄紙を当て保護し、たとう紙や布に包んでしまいます。
また着物や帯をたくさんのせるとそれが重しになってあたりなどができ、せっかくの着物がひかってしまいますので注意しましょう。

着物について

収納時には、種類、材質、季節、用途などで分けると整理がしやすく、着る時に慌てずにすみ、また防虫や防湿の点でも便利です。
また害虫予防として防虫剤を用いますが、2種類の防虫剤を入れると化学反応を起こし、水分が発生したりして着物や帯のシミや変色の原因になります。
防虫剤の種類を混ぜないよう注意し、防虫剤は容器の上部に置きます。

着物について

着物を収納するには、着物や帯をはじめとして和装小物まですべて収まる、和タンスといわれる「桐箪笥(桐タンス)」がとても便利です。
着物などを収納するポイントは、湿気の少ない和タンス上部に高価な着物(礼装の着物など)を入れるようにすることです。

着物について

個人の好みで着用するのではなく、職業・役割により現在も和服の着用が強く求められる場合がある。
職業・宗教により、正装または普段着として和服を着用することが主流となっている。

日本の仏教僧
神官・巫女など神道の聖職者
能楽・歌舞伎・日本舞踊・講談・落語・雅楽・茶道・華道・詩吟等伝統芸能の従事者
芸者と舞妓
相撲の取り組みの行司・呼び出し・相撲の取り組みで物言いを行う審判員(勝負審判)
力士が相撲の取り組み以外の場で正装するときの衣服
仲居(仲居は日本旅館・温泉旅館・日本料理店などで料理を運ぶなどの接客サービスを行う職業)
将棋棋士(タイトル戦他重要な対局の際)
競技かるた(主に名人位、クイーン位決定戦の際)

着物について

スポーツでは、選手はそれぞれのスポーツの専用の和服や道着を着る。
道着も前を合わせて帯を締めるという構造上、また種目によっては(剣道・弓道など)袴を着用することから、和服の一種であるといえる。

剣道
柔道
居合道
空手道
合気道
弓道
なぎなた
少林寺拳法
その他日本の武道

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和服と洋服とでは、前の部分の重ね合わせかたが異なる。
Yシャツなどの衣服は、女性は自分から見て服の左側の上に右側を重ねる「左前」で着るが、和服は男女問わず服の右側の上に左側を重ねる「右前」となる。
右手で懐に入れたものを取り出しやすいのである。
和服で左前として着るのは死人である(切腹の際には左前に着物を着る作法がある)
うっかりミスが多い点なので要注意。小文字の「y」の形と覚えておくと便利。